製造業における外観検査の見逃し防止策
製造業において外観検査は、人間の目視で行う、人件費というコストをかけて実施する重要な検査です。しかし、検査する人の経験などで基準が曖昧であったり、見逃しが起きてしまったりすることがあります。自分では正しくチェックしているつもりでも、見逃しが発生してしまうのには、なにか原因があるのでしょうか。ここでは、製造業における、見逃し防止策について説明します。
まずはハード面の整備が大切
しっかりと目視で検査しているのに、見逃してしまうのであれば、検査する人を交代しなければ防止することはできません。しかし、外観検査の性質上、人によって基準が異なるようでは、製品などの品質を保つのは難しくなります。
外観検査は、全ての人が同じ基準で検査し、同じ結果になる必要があります。人間が原因となる見逃しなどのミスを防止するには、人間に注意を促すだけで改善させるのは難しいことです。こういったミスの防止策を考えるとき、ヒューマンエラーなどソフト面の問題ばかりに目を向けがちですが、設備などハード面での強化が大切です。
ハード面の強化とは、職場がしっかりと外観検査しやすい環境にあるか、ということです。まず、明るい場所でなくては、目視での外観検査など正しくできるはずがありません。検査する職場の照明が暗いと、確認したいところが見づらいので、イライラするなど集中力が保てなくなります。また、暗い場所では常に目を凝らして、検査しなければいけません。そうすると、目の周りの筋肉を酷使することになり、肩が凝りやすくなってしまうため、短時間でも集中することが難しくなります。そして、暗い場所では通常より顔を近づけて検査する必要があります。顔を近づけるということは、腰を曲げるなどの無理な体勢での検査を、余儀なくされます。こうなってしまうと、体の節々が痛み、検査だけに集中できなくなってしまいます。
照明が暗いだけで、集中力の低下と体への負担が起きてしまいます。こういった、職場環境の問題による外観検査の見逃しを防止するためには、照明の整備が必要になってきます。照明の明るさはJIS規格の「照度基準」で定められています。工場で製造している製品の種類や作業内容によって、細かく定められているので、基準どおりに整備する必要があります。照明を明るくするだけで、集中力が持続できたり体への負担を軽減できたりと、作業効率の向上を見込めます。それにより、外観検査の見逃しが発生する要因を、減らすことができるというわけです。
ソフト面での防止策は「疑う」こと?
「不良品はあるはずがない」と疑うことをしない姿勢が、外観検査での見逃し要因のひとつとなっています。これは、検品するほとんどのものが良品であるため「不良品があるのでは?」と、気持ちが構えていないということです。疑う気持ちをもっていないので、仕事を単調な作業と考えてしまい、集中力を持続させることが難しくなります。そして、不良品があっても気づくことができず、見逃しが起きてしまうというわけです。もちろん、経験や能力などの個人差も大きくかかわる問題ですが、性格にも関係しているといえます。しかし、人間の性格は、職業によって変えられるほど単純なものではありません。性格を改めるというよりも、常に「疑う」という緊張感を保つことで、集中力を持続させることが大切です。
不良品を見つける意識が大切
外観検査という仕事は、生産するという性質の仕事ではありません。検査基準に則って、手順通り正確にそしていかに速く検査できるかという仕事です。外観検査の仕事に対し「自分はこうする」や「やりかたが違う」など考えてはいけません。外観検査という仕事の性質を理解して、その基準どおりに従って仕事をするべきです。検査をするという仕事なのに、慣れや怠慢で「不良品はあるはずがない」と疑わないことは、仕事をしているとはいえません。「疑うことこそが仕事だ」と考えることにより、外観検査見逃しの1つの要因を減らすことができます。
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